お父さんが70超えたら「家族信託」をお子さんとお父さんで一緒に検討すべし

「認知症になった方の不動産は処分できない。」というのが原則です。

お子さんの大部分は、「親父はまだ元気で大丈夫だし、何かあったらオレがなんとかできる。」と根拠のない自信を持ちまくっていることだと思います。そんな方でも、お父さんが認知症になったらお手上げです。認知症は誰にでも突然訪れる可能性があります。「なんかお父さんが最近変だ。」となってからではもう手遅れです。相続が発生するまで不動産の売却はできません。売却できない空家の完成です。

最近とても人気があって流行っている制度が「家族信託」です。ご存じでしょうか?まだ、制度ができてから10数年しかたってないそうなので、そんなに知ってる人は多くないようですね。

不動産の所有者をお父さんのままに、管理・修繕・建替え・処分などもお子さんの権限でできるようにするという契約です。しかも、遺言内容まで契約に含むことができるんです。素晴らしくないですか?

70を超えるくらいから、誰しも少しは衰えを感じてくることでしょう。良い関係を持っている息子さんや娘さんがいれば、自分が何かあった時には、そろそろ財産は(会ったことない弁護士や司法書士よりも)自分の子供に託したいと思っているはずです。

親御さんがあまり高齢になりすぎると、逆に話がリアルになりすぎて話しづらくなるような気がします。そうなる前に、親御さんとお子さんがお互いのことを大切に思っていることを伝え合えて冷静に話し合える場があると理想的ですね。

まずは、YouTubeで「家族信託」を検索してください。私のつたない文章を読ませるよりもずっと理解できるし正しい情報を得ることができると思います。司法書士や行政書士、税理士のYouTuberの先生方たちがこぞって「家族信託」の動画をアップしてます。

親子関係が良い方は、必ず1度はお子さんから親御さんに話を持ち掛けるべきだと思います。まずはお子さんご自身で研究してください。その動画の中から一番わかりやすくて自分に合ってるものを選んで、親御さんと一緒に見てください。そうしたら話を進めることができるでしょう。次はネットでお近くの司法書士の先生を選んで連絡。ですね。

制度がまだ新しいので、司法書士の先生でも「家族信託」が得意な先生とそうでない先生がいるらしいので先生のチョイスには注意が必要です。ここらへんも、ご要望があれば当社で調査できるんじゃないかなと思います。

個人的には、良い親子関係ができている日本中すべての方々が利用すべき制度かとまで思っています。「良い親子関係」というところが最重要ですね。そうとう関係が良くなければ、そんな動画一緒に見るのは、なかなかハードルが高いんじゃないかとも思ったりします。

「家族信託」のポイント

  • ご本人が認知症になっても後見人無くお子さんが財産管理することができる。
  • 制度としては任意後見に似ている。認知症なったら適用できない。
  • 後見制度より初期費用はかかる。司法書士の先生に払うお金。(30万円~ ※契約内容によって変わるらしい。)
  • 法定後見人(2万円~/月)や後見監督人(1万円~/月)などのランニングコストがかからずに済む。後見人は一度つけると「完全回復」するか「お亡くなりになる」まで解除できない。(恐ろしー)
  • 司法書士の先生にお願いして契約書を作ってもらって、お父さんとお子さんで契約を結ぶ。
  • 不動産の場合は登記をする。お子さんが受託者として登記簿に明記される。(固定資産税などは子ども宛てに請求が来る。)
  • もちろん贈与税や不動産取得税はかからない。登録免許税は課税されるが0.4%。(安い!)
  • アパートなどの場合は管理運営をお子さんに任せて、賃料収入は親の受取になる。(受益権は親に残る。)
  • 受託者(お子さん)の独断で不動産を処分すること(売却すること)も可能になる。もちろん売却して得たお金はお父さんのものです。
  • 契約に受益権の「相続」内容を含ませることができる。しかも遺言より先のことまで契約として決められる。(例:この不動産の相続は、妻の次は長男、長男の次は長男の嫁、長男の嫁の次は次男の息子 など)
  • 相続税対策の自由度も高い。

どうでしょう?
これはかなり使える制度じゃないでしょうか?
親御さんが70歳代くらいと考えると40歳代くらいの方はゼッタイ検討すべきだと思いますよ!
よければアドバイスしますのでお気軽にご連絡くださーい!

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茂好洋一