実家売却前に隣地との境界をはっきりさせます

当社では、売却後の売主様のトラブルを回避するために、可能な限り隣地との境界をはっきりさせる努力をさせていただきます。

境界標が見当たらなければ、お近くの土地家屋調査士の方にお声がけして設置の依頼をさせていただきます。設置するだけの費用としてはそんなに高額なものではありません。場合によっては測量含めて数十万円かかることもあります。

両親が購入した実家の事情は、たぶん息子さん娘さんはあまりよく理解できてないでしょう。

いざ、実家を売りに出そうという頃には、お隣さんとご両親がなにか特殊な約束事とか覚書とかを交わしていないかを確認するのは難しい状況になっている可能性が高いです。ご両親が元気なうちに、「この家を売るときはこんなことに気をつけろよ。」みたいなことを話し合っている親子は、そんなにいないのではないでしょうか?

自分の土地から隣の家の所有地にブロック塀やフェンス、物置、エアコンの室外機、出窓などがはみ出してしまっていることを「越境」と言います。地上だけでなく地中でもコンクリートの基礎や給排水管などの埋設物だったり、空中でも屋根の庇(ひさし)や雨樋(あまどい)などが「越境」していることがよくトラブルのもとになります。

その「越境」問題を、親がお隣さんと話し合いをしていたという可能性がゼロではないと思います。その事実を相続したあなたが聞いていない、などということも可能性としておおいにあると思います。

何年も無人になっていると、お隣さんはやり放題の可能性があります。もし、無人の期間が十数年も経っていて、ずーっと実家の土地の一部を占有されていたとすると、法律上「時効」によって所有権がお隣さんに移ってしまうという可能性もあります。まあ、そんなことを主張するような恐ろしい人は世の中にそうそういないと思いますが。。 そのような時には「測量」は、とても大きな武器になります。

実家の地積測量図が役所にあって、境界標もきちんと残っているという状況で「越境」している様子もない。ということであれば問題ないのですが、古い家だと役所に地積測量図が無いとか、境界標が見当たらないということは非常によくあります。境界標が無いと、ぱっと見「越境」の判断が全くつきません。そのまま売却をしてしまうと、買主さんとお隣さんがトラブって売主のあなたにも火の粉がかかる可能性が出てきます。

「境界標」が見当たらないときは、売却前にお近くの土地家屋調査士の方にお願いすることをお勧めします。依頼したからと言って、自分の判断だけでお隣さんとの「境界線」を設置することはできません。お隣さんにもご協力していただく必要が出てきます。土地家屋調査士の方は隣地所有者との折衝などにとても慣れています。お子さんが直接仲良くしていなかったお隣さんだとしても、土地家屋調査士の方を通じてお隣さんとコミュニケーションを取ることによって、ご両親との関係などが分かるかもしれませんし、特殊な約束事や覚書などが出てくるかもしれません。

売却した後の問題は、瑕疵として、売主としての責任を追及されるとそれこそ高くつく可能性があるんですよ。。