親が認知症になっても、親の不動産を売却できる

不動産の所有者本人が認知症になると、原則、売買契約はできなくなります

認知症の親に委任状を書かせて、無理に不動産の売買契約を行っても無効になります。こんな情報をどこからか聞いてしまうと、親の介護のためにお金を必要としているお子さんは忙しい盛りの歳なので「無理ゲーじゃん。あとあと。」となってしまいます。

所有者本人が認知症になった場合、「親が施設に入所するための資金に不動産の売却代金をあてたい。」と思う方は一定数はいらっしゃると思います。そんな場合は本人のためになることであり、正当な理由です。「成年後見人の申し立て」を行って正しく不動産売却を進めましょう。

成年後見人は、本人に代わって財産管理や介護施設入所への契約、遺産分割の協議などを行うことができます。もちろん不動産売却の契約も行うことができます。

成年後見人の申し立て

家庭裁判所に申し立てを行うと、適任者を審理されます。でも、申し立てを行ったお子さんが選任されるとは限りません。弁護士や司法書士、行政書士などが選任されることが多いそうです。お子さん以外が選任された場合、本人の財産からそれら専門職の先生に毎月2~3万円程度報酬として支払われることも覚えておきましょう。

成年後見制度の利用支援のために、約80%の市町村で助成制度があります。ご両親がお住まいの市役所のホームページなどをご確認していただけると良いと思いますが、月2~3万円の報酬を賄う程度のものが多いようです。まずは成年後見制度の利用を検討してみましょう。

申し立てを実際行おうと思うと、後見・保佐・補助開始等申立書/申立事情説明書/親族関係図/親族の意見書・記載例・親族の意見書について/後見人等候補者事情説明書/財産目録/相続財産目録/収支予定表 を書いて提出します。

みなさんは親の財産や血縁関係などしっかりと把握していますでしょうか? 結構なボリュームです。でも、がんばれば自分でできるはず。書類の作成は司法書士や行政書士の先生にもお願いできます。でも、調べるのは自分でやるしかない。大変です。

どちらにしても相続の際にはそれらはあなたが調べるしかないのです。申し立てをしないにしても相続の際にはいずれやることなのです。書類の作成を司法書士や行政書士にお願いすると、後見人はその先生にやってもらうことになるでしょう。

売却したい不動産が親御さんの自宅の場合は、別途、家庭裁判所の許可が必要になります。成年後見にの申し立てとは別に申し立てを行います。

当社は不動産仲介会社なので、できることには限りがありますが、お手伝いできることはいろいろあるはずです。お気軽にご相談ください。

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茂好洋一